ポイントは「地面に対してまっすぐ垂直に立つ」ことです。その際、やってはいけないのが「胸を張らない」ことです。胸を張ってしまうと、肩の位置が骨盤より後方にずれ、頭が前方に出てしまうため、上半身の重さを分散させることができません。

疲れない立ち方は4つの簡単な手順でいますぐにできます。

①まず肩を軽く下げる
②肩甲骨を軽く寄せる
③足指を猫の足のようにして踏ん張り
④肩幅程度に左右に開いた足の中心に体の重心が来るように意識する

最初のうちは、普段と異なる立ち方に戸惑うかもしれません。しかし、人体の構造的にはこれがもっとも体に負担を与えず、なおかつスラっとした美しい立ち方だと言えます。

この立ち方ができない人は、体を支える筋肉・支持筋が老化している可能性があります。支持筋に刺激を与えて若返らせるためにも、意識的にこの立ち方をするようにしましょう。

「休め!」の姿勢では身体が休まらない

片足を横に出して、もう一方の足に体重をかけて立つ「休め」の姿勢。駅やバス停での待ち時間や、オフィスで立ち話をしているときなど、この姿勢を自然にとっている人は多いのではないでしょうか。

この「休め」ですが、動作解析をすると、重力の負担はまったく減っておらず、むしろ疲労がたまりやすい姿勢であることが、研究からわかっています。いつも同じ足に体重をかけていると、骨盤にゆがみが生じ、身体に左右差が生まれます。すると「立つ」だけでなく、あらゆる日常動作がアンバランスになり、疲れが残る原因にもなります。

「休め」は、バレエダンサーの基本姿勢のように、足を前後に開き、身体の重心を定期的に動かすのが正しい休めの姿勢です。

その際に大切なことは、同じ姿勢でい続けない、ということです。

子どもが静止し続けるのが苦手なのは、支持筋という動作を止めるときに働く「体を支えるための筋肉」が未発達だからと言われています。