アップデートには現状把握が欠かせない
ではビジネスパーソンが定期的にアップデートするには、どうすればいいでしょうか。まず自身ですぐに取り組めるアップデート方法が5つあります。
① 現在の自身の情報環境や会社の情報感度(組織と社員の情報感度)がどの程度のものなのかを把握します
② 新聞やテレビなどマスメディアから流れてくる恣意的で受動的な情報だけに時間を支配されず、ネットを使って能動的に情報を集める癖をつけます
③ 自身で書籍やオンラインメディアなどから情報収集し、定期的に知識と情報をアップデートします
④ SNSで有益な情報を発信する人たちをフォローし、そこで新たな知見を増やすように心掛けます
⑤ ネット上やオフィスで聴いたことのない単語やカタカナに出会ったらそのままにせず、すぐに調べて理解するようにします
とはいえ、アップデートを自分ひとりの力で行うには限界があります。そこで参考にしたいのが「リバース・メンタリング」という手法です。自分より若い世代をメンターにする方法です。
若手から学ぶことは多い
このルーツはGEのCEOだったジャック・ウェルチ氏です。1999年当時、彼は500名のトップ・マネジャークラスの社員に、「新しいICTの動向や使い方を自分に教えてくれる若い社員を見つけ、自分のメンターになってもらってほしい」という通達を出しました。
ウェルチ氏自身も当時37歳だった社員を指名し、インターネットをはじめとするICTの技術や仕組み、そして動向について、定期的に時間を取って学習しました。トップ・マネジャークラスの人たちも20~30代の社員でICTの知見を持つ人たちにメンターになってもらい、彼らから学んだのです。
このGEの取り組みに触発され、DellやP&G、ゼネラルモーターズ、フィリップモリス、3M、シーメンス、ウォールストリート・ジャーナルなどにも広がり、日本でも「逆メンター制度」として知られています。
時には若手の声に耳を傾けることが必要です。自身のアップデートを定期的に行い、いつまでも時代と共に暮らしていきましょう。
※参考資料
・富士通総研webページ『リバース・メンタリング――若手とシニアが相互に影響を及ぼし合える場づくり――』