誰もが「55歳下美人妻」が犯人だと思った

和歌山県田辺市で2018年、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた会社社長、野崎幸助さん(当時77歳)が急死した事件は、3年後の今年4月、急展開を見せました。やはりというか、元妻の須藤早貴容疑者(25)が逮捕されるに至りました。

野崎幸助氏=2016年6月22日
写真=アフロ
野崎幸助氏=2016年6月22日

5月4日付の毎日新聞はこう報じています。

須藤容疑者は18年5月24日、田辺市内の野崎さん宅で、何らかの方法で覚醒剤を野崎さんに飲ませ、急性覚醒剤中毒で死亡させたとして逮捕された。
関係者によると、逮捕前、須藤容疑者は任意での事情聴取に「身に覚えがない」などと死亡への関与を否定。県警は逮捕後の認否を明らかにしていなかった。
これまでの捜査では、須藤容疑者が事件前、インターネットで覚醒剤について検索し、密売人と接触した形跡がスマートフォンに残っていることが分かっている。一方、殺害の目撃証言はなく、覚醒剤をどうやって飲ませたかなども判明しておらず、県警は慎重に裏付けを進めている。

国民のほとんどが「あの人が犯人にちがいない」とは思ったはずでしょう。が、かくも時間がかかったということは、「この人しかその犯罪を起こせる人はいない」という状況証拠の気の遠くなるような積み重ねゆえだったのでしょう。

さて、まだまだどうなるかの展開が注目される事件ではありますが、この事件、「55歳の年齢差」「元モデル美人妻」「遺産総額13億」などの大衆の興味をそそる興味本位の情報が先走った形となり格好のワイドショーネタともなりました。

亡くなった方への追悼の気持ちは無論持ちつつも、「落語」で分析できないかと考えた場合、ピタリと当てはまる演目がありました。

それが「文違い」です。