人生を楽しむことで、お金がついてくる

ユーモアも交えながら、成毛さんが伝えようとしているのは、やはり“主人公として生きろ”というメッセージではないかと思います。

「生きていることを死ぬまで楽しむ」主人公になろう、と。人生を楽しむためには「お金」がたくさんあることが条件だと思われがちだけれど、そうとも限りません。

僕が出会ってきた起業家たちの中にも、一夜にして財産を失ったり、お金の面で悲惨な目に遭った経験を語る人は少なくありません。

でも、お金がなくなったからといって人生は終わらない。夢を語り、仲間を思い、前を向くことはできます。

彼・彼女たちは、どんなときでも、思い切り“主人公”を楽しんでいます。そして、“主人公になる権利”は、誰でも等しく、生まれたときから持っているのです。

レストランの外に立ってほほ笑むオーナー
写真=iStock.com/Ridofranz
※写真はイメージです

お金があるから、人生を楽しめるのではない。

人生を楽しむことが先で、お金は後からついてくる。

これからも、君は君の人生の堂々たる主人公として、歩んでいってください。

悩んだときには逃げるのが一番

それでも、人生には試練も度々起きます。

自分なりに精一杯頑張っているつもりなのに、足を引っ張られたり、裏切られたり。打ちのめされてどうしようもなくなってしまう事件が時々起きる。

元気なときには立ち向かう力が振り絞れるけれど、元気が出ないときだってありますね。

365日、最強の勇者で居続けられる人なんてどこにもいません。

そんなときは、逃げたっていい。逃げることが正解な場面もあります。

感覚としては、「ウォークアウェイ」。走り去る(ランナウェイ)ではなく、歩き去る。余計なことは言わず、その場をスッと立ち去っていく。

僕たちは、何事にも向き合う努力をするべきけれど、“立ち去る自由”も持っているのです。

有名な中国の思想家、孫子の戦術をまとめた「孫子の兵法」にも「三十六計逃げるに如かず」という言葉があります。つまり、「いろいろな戦法があるけれど、悩んだときには逃げるのが一番」という教えです。

14歳の君は、まだまだ大人に守られている立場で、だからこそ見えている世界がとても狭くて窮屈に感じて、イライラや不安が爆発しそうなときがあると思う。

どうしようもなくなったら、「逃げる」という選択肢を思い浮かべてほしい。

困難に全部立ち向かう必要なんてない。

あまり大っぴらに言わないだけで、周りの大人たちだって、しょっちゅう逃げているのだから。