「また失敗した」「あの人みたいにうまくできない」……。何事も全力投球をする人ほど「できない自分」に厳しくなりがちです。産業医の井上智介さんは、「自己肯定感が低い人ほど、自分の強みに気づいていない」と指摘。マイナス面だけではく、自分の強みにクローズアップするにはどうしたらいいのでしょうか――。

※本稿は、井上智介『繊細な人の心が折れない働き方』(ナツメ社)の一部を再編集したものです。

過去の成功体験、忘れていませんか?

成功する人の多くは自信家です。しかも、なんの根拠もない強い自信をもっています。

人は自信があると、「やる気」を促す脳内物質ドーパミンが分泌されます。するとモチベーションが上がって仕事がはかどり、いい結果につながります。結果が評価されると承認欲求が満たされるので、脳内ではさらにドーパミンが分泌されます。

こうして自信は好循環を生み、実績となって積み重ねられていきます。

とはいえ、自己肯定感の低いHSPさんは、自信をもつのは難しいものです。そこで、自信をもつために、過去の成功体験を呼び起こしましょう。「仕事が早く終わった」「親切にしてほめられた」など、うれしかったことを思いだすと、「私、いいかも」と、自信がもてるようになります。

成功体験が見当たらなければ、これから積み重ねていきましょう。まず、「1カ月間、上司に明るくあいさつする」など、小さな目標を定めます。家族や友人に伝えておくと、成功率がアップします。

達成後は延長するか、さらなる目標を掲げてください。小さな目標を達成するたび、確固たる自信が築かれていきます。

「失敗した=自分の価値が下がる」は間違い

自己肯定感の低いHSPさんは、失敗すると激しく落ち込んでしまいます。

そんなとき、失敗で自分の価値が下がると考えていたら、それは大きな間違いです。失敗は、気づきと学びの機会。必要以上にネガティブになっては、せっかくのチャンスを生かすことができません。

世の中には、一度も失敗を経験せずに成功した人はいません。人は失敗をくり返しながら学び、成功にたどり着くからです。長い目で見れば、失敗は「成功の途中」といえるでしょう。また、失敗した人は、人に自分の経験を伝えることができます。あなたの失敗は、多くの人にも貴重な財産なのです。失敗から多くを学ぶために、失敗に対する考え方を変えましょう。