失敗を分解すると、自分の“ほめポイント”が見つかる

自分の思ったような結果が得られなかったとき、「どうしてダメだったのだろう」と考えると、失敗ばかりに意識が向いて、さらにネガティブになってしまいます。

まず、全体のプロセスをふり返り、1企画、2社内調整、3プレゼン、4商談、のように、細かく分解してみましょう。

そして、まずはうまくいったところに注目し、どこまで成功だったのかを評価します。

そうすれば、「ここは前回よりもよかった」と、自分の成長に気づくこともできます。

冷静になって心に余裕ができたら、うまくいかなかったところを考えましょう。周囲にも協力してもらうと、ひとりでふり返るより生産的な知見が得られるかもしれません。

ひとつの失敗からは、とても多くの学びが得られます。次に生かしていきましょう。

自己肯定感が低いと、「あの人みたいになれたらなぁ」と、いつも人と比べがちです。

そんな「ないものねだり」がクセになっているとしたら、「あるもの感謝」の発想に転換しましょう。たとえばいま、あなたの衣食住が満たされている環境は、多くの人の力で成立しているはず。また、あなたが「もっていて当たりまえ」と思っているものにあこがれている人も、たくさんいるでしょう。

なにが足りないかを考えるのではなく、自分がもっているものに気づき、感謝しましょう。

ありのままの自分を肯定できるようになります。

「がんばりすぎる」ことは人生のリスク

多くの人は、防災グッズや保険でリスクに備えていますが、人生には見落とされがちなリスクがあります。それは、「がんばりすぎる」ということです。

井上智介『繊細な人の心が折れない働き方』(ナツメ社)
井上智介『繊細な人の心が折れない働き方』(ナツメ社)

私たちは「がんばることはいいこと」と、教え込まれ、心にムチを当てて走り続けます。エネルギーには限界があるので、いつしか枯渇してしまいますが、それでもがんばり続け、心身ともに危険な状態になる人もいます。

そうならないために、どこかでスパッと割り切って、あきらめる勇気をもちましょう。「あきらめる」という決断は、いわば人生レベルでの重要なリスク管理なのです。

そもそも人の能力には個人差があり、誰にも得手不得手があります。仕事でのがんばりの先に必ず幸せが待っているわけではなく、がんばらなくても幸せな人はたくさんいます。

HSPさんは、周囲の評価にふりまわされて自分のことがおろそかになりがちですが、もっと自分を大切にしましょう。

とりかえしがつかなくなる前に、苦手なことは苦手だと認めて、ありのままの自分を優先してあげてください。