セダンのラインナップが大幅に削減されてきた
一方、高齢者ユーザーのニーズの変化もある。かつては、高齢者にはステータス性の高い大型セダンなどが人気だった。しかし、現在では、ダウンサイジング指向が強まっている。「もう大きなクルマはいらない。使いやすい小さなクルマが欲しい」というわけだ。
その結果、大型セダンどころか、ミドル・セダンも含めて、セダン自体の人気がすっかり下火となってしまった。トヨタをはじめ、多くのメーカーはセダンのラインナップを大幅に削減してしまったのだ。
現在の日産のラインナップを見ると、そうした傾向がはっきりと表れている。現在、販売される日産のセダンは、下からシルフィ、スカイライン、フーガ、シーマの4モデルのみ。かつてあった、ティアナもプリメーラもローレルもセフィーロもなくなってしまった。シルフィはすでに生産終了という報道もある。
さらに日産は、コンパクト系の整理も進めており、キューブもティーダもサニーもパルサーも、すでにない。300万円以下という予算で、SUVとミニバン、軽自動車ではない“普通”の日産車を買いたいとなると、マーチ、ノート、シルフィの3択となってしまうのだ。
こうした現状の日産のラインナップを見れば、ノートに高齢者が集中するのも仕方のないことだろう。これまで数多くのクルマに乗ってきたユーザーからすれば、マーチはさすがにチープ過ぎる。つまり、残ったのがノートというわけだ。
走りの質感、インテリアの質感が良い
そして、新型ノートは、その内容で、高齢者の熱い視線に応えたのだ。
新型ノートは「高品位」なクルマだ。パワートレインをはじめ、走りの質感、インテリアの質感が良い。
特に日産の「e-POWER」というハイブリッドは、駆動をモーターが担い、エンジンは発電に徹する。この新型ノートからは、新世代となったモーター&インバーター&制御を採用しており、パワフルかつ効率化されただけでなく、走行中の静粛性も驚くほど向上している。電動化が話題となり、ハイブリッドやEVに注目が集まる昨今、モーター駆動という最先端の走りを新型ノートは実現した。ルノーと共同開発する最新のプラットフォームは、直進性など走りのレベルを高めている。
さらに、先進運転支援機能も充実している。日産自慢の運転支援システム「プロパイロット」はナビゲーションとの連携機能を採用。もちろん、前方との衝突被害を軽減する自動ブレーキをはじめ、後方や斜め後ろを警戒する機能、アクセルとブレーキの踏み間違い衝突防止アシストなど「360度セーフティアシスト」と呼ぶ安全サポート機能も備えている。