「子煩悩と登録したほうが女性ウケがいい」
ところが、最近になってまた夫婦問題の相談でAさんと再会をはたした。Aさんいわく、「結婚前に聞いてた話とはだいぶ違う。こんなことなら急いで結婚するんじゃなかった」。新しくAさんの夫となった男性は、マッチングアプリの登録上では「年商1億円の企業の経営者」。ところが、実際にビジネスを動かしているのは彼の父親であって、本人は肩書こそ「社長」だが収入は驚くほど少なく、自由に使えるお金もほとんどないという。
しかも、これも結婚生活がスタートして判明したことだが、マッチングアプリでは「子煩悩」とされていたものの、実際は「子どもはうるさいから嫌い。でも、子煩悩と登録したほうが女性ウケがよかったから」と平然としているとのこと。Aさんは、パートナーを得た今も、ほぼワンオペで育児をこなす日々。二度目の離婚を真剣に考えている。
5年付き合った女性と別れた直後にアプリ婚
【CASE2】頼れる人が不在で悪化した夫婦関係を修復できないケース
「今思えば、結婚式当日からうっすらと暗雲が漂っていました」と語るのはBさん(40代)。5年間交際していた女性と別れた直後、世の中はコロナ禍になった。リモートワークがはじまり、部屋で過ごす毎日にBさんが思ったのは「このままずっとひとりでいたくない」ということ。そこでマッチングアプリを活用し、今の妻とオンラインでデートを重ねていくうちに結婚することになったのだった。
結婚式は、親族とそれぞれ仲のいい友人数名とが集まり、小さなお店を貸し切ってこぢんまりとおこなった。「本人とだって結婚前に対面で会ったのは数えるくらい。ましてや、お互いの友人になんて、会う機会もなかった」とはBさん。お互いの両親も、式の当日が初顔合わせ。共通の知り合いがひとりもいないせいもあって、結婚式は終始ぎこちないものだったという。