金利は人によって差がある

①はごく当たり前のことですが、②の使用料とは一体何か? それは「金利」です。そしてこの使用料、人によって差があるのが普通です。その理由は貸す人がお金を返してくれる可能性がどれぐらい確実か? によって差が出てくるからです。言うまでも無く、貸す側から見ると、相手がどれぐらい返済の確実性があるかは重要です。ほぼ確実に返してくれるのなら、使用料=金利は安くても良いでしょうが、返済にやや不安のある相手なら金利を高くするのは当然です。これは貸す相手の「信用度」です。

したがって、通常、銀行等が融資する場合は相対で融資先と話合って金利を決めることが多いのです。

日本で契約を交わすシーン
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

ところが、中にはあらかじめ金利の水準を表示している場合もあります。例えば住宅ローンのような場合です。この場合、大抵は融資する物件を担保に取りますから、仮に返せない事態になっても担保を処分すれば良いので、融資する人の信用度によって変える必要はありません。

カードローンの金利が高い理由

そしてもうひとつ、カードローンや消費者金融もあらかじめ金利を表示しています。ところがこちらの金利は住宅ローンとは比較にならないくらい高いのが普通です。なぜ高いのでしょうか? それは貸す相手の信用度をかなり低く設定しているからです。普通、こうした借金の場合、担保は取りません。一定の信用調査をすることもありますが、中には簡単な身分証明書だけで借りられることも多いのです。したがって、貸した先の内、一定割合は返済できない先があるということを見越して、金利を決めるのです。

つまり、こうしたカードローンや消費者金融というのは貸し倒れリスクのかなり高い人を対象に貸し出しているので、そういう人たちに貸し倒れが発生するリスクの分まで他の利用者が高い金利を払うことによってカバーしているということです。

考えてみれば、本来貸す方が負うべきリスクを他の健全な利用者に負担させるというのは納得がいかないとも思えますが、小口の融資においていちいち信用調査をするのはコスト的にはとても合わないからでしょう。