ワクチンを接種してもマスクをつけるべきである

ワクチンを接種してお互いに抗体ができている前提であれば、感染リスクが低くなることに誤りはないだろう。ワクチンを接種していない人との集まりを比較した場合、要素③を2人とも同時にコントロールしているという点では、感染が成立するリスクは低くなるということである。

しかし、ワクチン接種後にきちんと抗体がついているかどうか抗体検査を誰もができる状況ではない。接種した人同士でも、片方の人間にうまく抗体ができていなかったり、ワクチンのターゲットと異なる変異したウイルスを持ち込んだりされると、拡散され、感染してしまう可能性がある。

絶対に感染したくない場合は、少しでも感染リスクを減らす行動をする必要があり、やはり、感染流行期にはできる限り複数の対策を同時にとるようにするほうが良いだろう、すなわちマスクをつけておくべきなのである。

感染力のあるウイルス飛沫がフィルターを通ったり、顔とマスクの間から入ったり出たりする場合には、単にマスクを着用するだけでは、要素②を完全に取り除くことにならない。その場合は、マスクは効果を十分に発揮できておらず、思わぬ感染を引き起こすことになる。

現在、日本における新型コロナウイルス感染症は、自粛などによってまだコントロールできている部分がある。将来のためにも、複数の感染対策の意味を理解し、3要素を確実に取り除く対策と行動の正しい知識をしっかりと身につけておく必要があると考える。

最後に目指すのは要素③の集団免疫の確立である。だが、それまでは複数の感染対策に気を配るほうがよく、うかつな行動は避けたいところである。治療薬がない状況では、まだ感染対策による予防が必要である。感染しないように、感染させないようにするという行動に困ったら、感染症の元の3要素で考えてみると、理解できることがあるだろう。

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