悪徳なマルチ商法はどのような勧誘をしているのか。ライターの雨宮純氏は「彼らは“事業計画書”と称して勧誘の具体的な目標を立てており、1日5人以上勧誘することもある。勧誘手法は常にアップデートされており、効果的な誘い文句を構成員同士で共有している」という――。(第3回)
落ち込んだビジネスマン
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「事業計画」はただの勧誘目標

「紹介者と一緒に作成した『事業計画』は、想像していたものとは全く違っていました。」

「事業計画」と聞いて一般的に思い浮かぶのはこれから手掛けるビジネスの内容や売り上げ見込み、マーケティング方法といったものだろう。ところが本連載で取り上げてきた悪徳商法集団、「環境」に所属していたCさん(旧帝大出身、システムエンジニア)が作成を指示された「事業計画」は、単なる勧誘目標だった。