業界トップ層から“不人気銘柄”を探す
では、実際にどのような投資をすればいいかを考えていきましょう。
景気や業績が急回復することをV字型回復と言いますが、回復に時間がかかりそうな時にはU字型、低迷したままならL字型などと表現されます。現在の株式市場はどうかと言うと、上向きと下向きとに分かれる「K字型」の様相です。パソコンやクルマの需要増から半導体を含む製造業は特需で業績が上向きです。対して、飲食、旅行、小売などサービス業(非製造業)は、全体的には下落傾向です。まずは、成長が期待できる業種や銘柄、期待できない業種、銘柄に大きく分かれる、といったトレンドを念頭におきましょう。
コロナ禍で業績が悪化しても、8割の企業は回復すると言われています。それを踏まえれば、コロナ以降、株価が上がっていない銘柄を狙う、という戦略もあります。鉄道株や、旅行会社などはコロナ禍で業績が悪化していますが、そのまま低迷し続ける企業と、回復する企業があるはずです。業界の上位5社程度から、回復が期待できる銘柄を選ぶのもいいでしょう。
例えば、地方銀行の上位5行に入っている、ある地銀は、多くの世界的企業のメインバンクとなっており、多額の含み益を有しています。知識や発想を応用して、銘柄選びをしてみてください。
配当金を得ながら株価上昇を待つのも手
株式投資には、値上がりしたところで売って得る売却益のほかに、配当金という利益もあります。日本を代表するような金融機関や商社などでも、配当利回り(配当金額÷株価×100)が4%台、5%台となっている例があり、配当金を得ながら、株価上昇を待つ、というやり方もあります。高配当銘柄は、証券会社のサイトにあるスクリーニング機能で検索できます。
株主優待も株式投資の魅力の1つですが、業績悪化で廃止になったり、縮小されたりしている例もあります。優待券など、期限付きのものは自粛で使いきれない可能性がないかも、チェックしましょう。
投資するタイミングについては、「緊急事態宣言やロックダウンは買い」という考え方もあり、株価が下がった時が狙い目です。一度にまとまった額を投資するのではなく、少額ずつ、時期を分けて投資することで、高値づかみの失敗を避けやすくなります。時間軸を長くとって投資するのが望ましく、いったん相場が下がっても、次に上がる時まで待てるような資金で行うことが重要です。