「はい、注意します」でおしまいにする

⑤人の言葉を深読みしない

部下のチェックに熱心な小姑タイプの上司はどこにでもいます。

和田秀樹『感情的にならない心の整理術』(プレジデント社)
和田秀樹『感情的にならない心の整理術』(プレジデント社)

「Aさん、この決算書は部長も目を通すんだから、ミスのないように頼むよ」

それくらいのことは先刻承知のAさんは、「いちいちうるさいなあ」という不満がだんだんふくらんでいきます。

「みんなの前でわかりきったことを言うなんて、まるで私が信用ならないみたいじゃないの」
「ああいう言い方をされると、しょっちゅうミスしているとみんなに思われる」

そんな調子でイヤな感情をふくらませてしまいます。でも実際にあったことは、口やかましい上司がわかりきったアドバイスをしただけです。「はい、注意します」と返事をすれば、それですべておしまいです。

相手の「感情」を深読みしないこと

Aさんは上司の言葉に隠された“悪意”や“意図”までも感じ取ってしまいます。これは深読みですね。こうした深読みぐらい、感情のコンディションを悪化させるものはないのです。

なぜなら、その読みが正しいかどうか確かめようがないからです。Aさんが上司に「ミスをすると思っているんですか」と質問しても、「そうは言っていない」でおしまいです。

「ミスのないように頼むよ」
「気をつけます」

これで終わりにすれば、拍子抜けするのは上司のほうです。そういう上司は放っておいて、さっさと自分の仕事に戻ることをおすすめします。

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