コロナ禍の物流を支えるトラックドライバーたちが深夜の食事に困っている。元トラックドライバーでライターの橋本愛喜氏は「高速道路のサービスエリアなども20時には閉まってしまう。普段から一人で行動し、『黙食』が当たり前だから、感染リスクはほとんどない。業態を無視した一律の時短要請より、やるべきことがある」という――。
夜のサービスエリア
筆者撮影
東名高速上りの海老名SA。大型車用の駐車スペースにトラックが並んでいた=1月27日午後9時ごろ、神奈川県海老名市

飲食店事業者の倒産件数は過去最多に

昨年1年間、コロナ禍の中を耐えに耐えてきた飲食業界。

GOTOイートで一瞬光を見たものの、最繁忙期であるはずの年末年始を前にして「第3波」が日本列島を襲い、同キャンペーンは休止に。業界からは悲鳴が上がった。

帝国データバンクの調査によると、2020年1月から12月における飲食店事業者の倒産件数は780件で過去最多。なんとか生き延びてきた飲食店も感染リスクを抑えようと、これ以上ないほどの対策を取って日々営業してきた。

そんな状況の中で発出された2回目の緊急事態宣言。これに伴い、11都道府県の飲食店には、20時までの時短営業要請が出された。

「できることは全てやってきたが、もうダメかもしれない。これ(緊急事態宣言)が“とどめの一刺し”になると思う」

都内の駅前で30年もの間飲食店を経営してきた知人は、力なくこうつぶやいた。

飲食店はもはや限界の状態にある。コロナウイルスそのものに「夜型」の特性があるならともかく、どうして飲食店だけが一律に20時までの時短営業を強いられなければならないのだろうか。