単身生活でも孤独とは限らない人がいる

前半で紹介したとおり、私たちの社会は単身生活者が増加していて、そういう意味では孤独は深まるばかりである。

だが一方、私たちの社会は今、単身生活をしていても孤独とは限らない人、オンライン化やICT化によって消息が追跡できる人が増えゆく局面にも向かっている。

今の世の中にも、まったく生活がオンライン化していない人、つまり、現金決済しかせずスマートフォンも使わずICT化した機器を一切持たない人は残っている。そのような人には従来型の孤独死対策が必要だろう。だが時代が進めば進むほど私たちの生活はますますオンライン化し、社会のICT化も進んでいく。セルフネグレクトのような、ハイリスクな人のモニタリングやマネジメントのテクノロジーも進展するだろう。

「悲劇としての孤独死」は減らせるはずだ

私は、オフラインでは活発とはいえない単身生活をしていても、オンラインでは活発に言葉を交わし、さまざまな娯楽を楽しんでいる人を知っている。そういう生き方は今ではそれほど珍しくないし、いちがいに悲惨という言葉をあてがうのも違うように思う。少なくとも、急病を見つけてもらえるシステムや急死に際して後の心配をしなくて良いシステムができあがれば、そうした生活や死を不幸の代名詞とみなす必要はなくなるはずである。

そのような近未来において、本当の本当に孤独になってしまう人、悲劇や損失や脅威としての孤独死を迎えてしまう人はもっと減らせるはずである。ひいては孤独死という言葉の意味を変え、孤独死という言葉を死語にすることさえ可能になろう。

個人をモニタリングしたりマネジメントしたりするテクノロジーには、自由を侵害するリスクや監視社会的な息苦しさもついてまわる。だが、新型コロナウイルス感染症が暗に示しているように、社会は健康という大義名分のためならそうしたリスクに目をつむるし、これからは、そうしたリスクを懸念するよりも健康を優先する傾向が強まるのではないかと私は推測している。

いずれにせよ、これからのテクノロジーが私たちのライフスタイルを拡充し、一人で生きたい人の意志をも尊重し、後顧の憂いなく生きる手助けとなることを期待したい。

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