③「主体的に考えて行動」させる企業か

先輩や前任者がこなしてきたままに、過去の延長線上で仕事をさせ、仕事をする意図や目的、社会的使命、新たな収益方法や課金方法などについて、働く人に考えさせる機会を提供しない企業は要注意です。

ビジネスマン
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「もっと効果的な別の取組み方法はないだろうか」
「無料で提供されている現在のサービスを有料にしたら、収益性が高くなるはずだ」
「この作業は人間でなくロボットに代替させ、人はもっと創造的な業務に就くことができるのではないのか」
「分厚い紙のマニュアルを止めて、反復して視聴できる動画に変更できないか」

こうした問題意識を持って仕事に取組む人が多い組織なら、ダイナミックに業務を進めていくことができ、社員の商才も高度化します。

言われたままに、決められたとおりにタスクを遂行する作業を社員にさせ、考えなくなる人材ばかりの組織になると、やがてその企業は存在価値を失う可能性があります。

④「先人たちが築き上げたブランド力」に依存していないか

その名を口にすれば、誰もが知っている企業に惹かれる人は多いものです。企業のブランド価値が、自分の価値とオーバーラップして判断してもらえる機会が増えるため、知名度の高い企業に入社したい心情はわかります。

ブランド価値が高い企業とは、先人たちが試行錯誤しながら仕事に取組み、成し遂げた結果です。ブランド価値に見合い、さらにその価値を高めようという意欲のある人材が新たに増えるのなら良いのですが、実態はそうならないことが多くなります。

出来上がった企業のブランド価値に依存するだけで、自らの手で新たな価値を創造しようと思わない人材が増えていくと、現状に安住し、新たなビジネスモデルやイノベーションに取り組む人が減っていきます。

創造性が失われ、時代の変化への対応力に欠けると、組織は硬直化し企業の衰退が始まります。ブランド力の高い企業が知らぬ間に問題を抱える、まさにブランドのジレンマです。

⑤ITやAIの活用、リモートワークに積極的か

ITやAIを積極的に活用する企業風土になっているかどうかをチェックします。メールやビジネスチャットなどを活用せず、仕事の仕組みと取組みが20世紀のままに行われていないでしょうか。FAXや電話を主たるコミュニケーションツールとして使用している企業や組織では、先々が心配です。またリモートワークが可能な職種や業務があるにもかかわらず、リモートワークを取り入れていない企業や組織も、柔軟性と時代対応力に欠ける可能性があります。

企業がITやAIを活用できない最大の要因、それは経営者と幹部、管理職層がITリテラシーに乏しく、自身で新たな技術を使い慣れていないためです。ITリテラシーに疎い人たちは同類の人たち同士で集まる傾向が強く、狭いコミュニティの中で自分だけがITに疎いとは認識できない傾向があります。