韓国経済に潜む長期的なリスク
今後、韓国の実体経済がさらに厳しい状況を迎える展開は否定できない。新型コロナウイルスの感染再拡大によって韓国経済の成長率は鈍化し、状況によってはマイナス成長が現実のものとなる可能性がある。特に、中国でも感染が再拡大していることは、韓国経済の成長を支えてきた輸出に無視できない影響を与える恐れがある。
その一方で、世界的なカネ余りに支えられて不動産価格の高騰は、もうしばらく続く可能性がある。投機による利得獲得や生活のための借り入れが増加し、韓国の債務残高は膨張するだろう。
ただし、未来永劫、不動産価格が上昇を続け、債務が増えることはあり得ない。どこかで資産価格には調整圧力がかかり、投機のために借り入れた資金の返済に追われる個人や企業は増えるだろう。やや長めの目線で考えると、韓国の需要と供給=実体経済に下押し圧力がかかりやすい中で、徐々に経済全体での不良債権増加への懸念(信用リスク)は上昇するだろう。
今すぐではないにせよ、韓国の経済と金融システムにかなりの混乱が発生する可能性は軽視できない。