発達障害やうつ病と間違いやすいが、ここが違う

この特性を持っている方たちは、これまでずっと自分について理解することができず、正解を求めてさまよい歩く迷い人だったと言えます。

性格を直したい。みんなと同じようになりたい。自分だけ浮きたくない、発言を控えるようにしよう。なぜこんなにクヨクヨするのだろうか? 気にしなければいいということはわかっているけれどもそれができたらこんなに悩んでいないのに!!(笑)

……と悩みを検索しては、「ぴったりのものがなくがっかりする」といった経緯をお持ちかもしれません。

これまでに自分がそうかもしれないと疑ってこられた分野としてよく3つの分野が挙がります。その代表格が「発達障害」です。発達障害も神経システムが敏感で、小さな違いに気づいたり、こだわりが強いので、HSPが発達障害チェックテストをするといくつかの項目で該当します。ですが、自閉スペクトラム症やアスペルガー症候群の場合は人の表情や雰囲気や意図を読むのが苦手なのに対して、「かくれ繊細さん」を含むHSPは人の顔色を見てばかりいます。

あるいは、場の空気を読み続けています。自動機能するスキャナーを持っているように、外部の情報を読み取りつづけます。他人の意向を表情の変化から読み、周囲が求めていることを優先的に実現しようと忖度そんたくする姿勢をベースに持っている点においては発達障害とHSPは真逆と言えます。

2つ目として、抑うつ状態が続き「うつ病」を疑ったことのある方も多いのではないでしょうか。うつ病になりやすい特性ではあるので、うつ病かどうかを判断するためにまずやってみていただきたいことがあります。人の目のないところで自分ひとりの時間をしっかりとり、外に出っぱなしになっている意識のベクトルを自分に戻してやることです。誰にも気を使わずにたっぷり寝た後、昨日まであれほど憂うつだったのに少し気分が落ち着き、やる気になるのであれば、かくれ繊細さん特有の「人目にさらされすぎ疲れ」ですので、できるだけ意識的に誰にも見られないひとりの時間(ダウンタイム)を取るように心がけて、ベクトルのバランスをとるようにしてください。

同時にアダルトチルドレンである場合も

3つ目として、アダルトチルドレンを疑ったことのある方も多いと思います。HSPは、非HSPに比べて、同じ出来事から受ける心の痛みが大きいことがわかっています。親がなにげなく言った一言がグサッと心に突き刺さって何十年も抜けないまま、そのうちに親に対する強い恨みになっていくこともありますので、HSPと同時にアダルトチルドレンでもある可能性があります。

その場合は、アダルトチルドレンの心理療法を受けることで、HSPの自分を理解し、受け入れやすくなるので、検討してみてはいかがでしょうか。親への不信感について正しく理解した上で、ご自身の心の傷を含めた自己理解をすることで、親に対するネガティブな感情の受け入れ方が変わっていくかもしれません。