繊細で敏感なのに刺激を欲しがる

HSPである「繊細さん」は、生まれながらの感度の高いアンテナを持っていて、人が気づかないこと(場の変化や雰囲気や人の気持ち)によく気づき、たくさんのことを感じ取ります。とても豊かな感性を持ち、人の気持ちを思いやる優しさがあり、予測から行動までの思慮が深く慎重であるという生まれながらの特性を持ち合わせています。

日没時の自然の中の若い女性
写真=iStock.com/recep-bg
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その一方で、ささいな刺激を受けがちで、気持ちが圧倒されやすく、オロオロしたり、固まったり、頭が真っ白になったり、異常に緊張したりで、疲れやすいと感じています。傷つきやすく、不安になりがちで、ストレスを強く感じます。

一方、HSS(High Sensation Seeking=刺激探求型)型HSPである「かくれ繊細さん」は、繊細で敏感で感受性の強さを持ちつつも、それと一見相いれない「好奇心旺盛さ」「刺激を欲しがる」という衝動性特性を一個体の中に同時に持ち合わせています。

「静」と「動」、「ブレーキ」と「アクセル」が共存しているのです。こうした「かくれ繊細さん」は、人口の6%ほど存在していると言われています。

自分の「二面性」に罪悪感を持ってしまう

「かくれ繊細さん」は、新たな出来事や情報を求めています。これは刺激を欲するHSSの特性です。新しいことを知りたくてたまらないので、情報を収集するために検索したり、調べたり、外に出て人と関わります。

そうした新たな情報を求めて外に出ると、そこでさまざまな人に出会い、そこで起こる出来事に簡単に傷つき、打たれてフリーズしたり、真っ白になったり、オドオドした弱い自分が顔を出します(繊細で感受性が強く、刺激に圧倒されやすいHSP特性による)。

傷ついているので、本心では外にいたくなくなりますが、刺激を欲する特性ゆえにコミュニケーションスキルはある程度磨かれており、内面がどうであれ人目のあるところではそれを表面化することなく淡々とひょうひょうとした自分を演じ切ることができる現状キープ力を持ち合わせています。この段階で、外面と内面との乖離かいりがはなはだしく生じます。

そして、そのことに「罪悪感」を持ちます。「二面性を持ってしまった」「ありのままの自分でいれれなかった」ということに、です。

これは、「裏表のある人間であってはならない」という強固な一般常識のルールから逸脱したことによる「罪悪感」であり、そういう一般常識的でない自分に対する「不信感」であり、今後の人生でこんな自分でうまくやっていけるだろうかという未来への「不安」を感じてしまうというメンドクサさ、いや繊細できめ細かく、自己を否定しがちなのです。