3強・青学大、東海大、駒澤大に迫る明治大72年ぶり優勝もある

▼トリビア17 今回は“3強対決”が有力

今回は連覇を目指す青学大、前回2位で全日本2位の東海大、全日本Vの駒大が“3強”という位置づけだ。

青学大は2区に不安があるものの、エース吉田圭太、主将・神林勇太を軸に総合力が高く、箱根駅伝へのピーキングが抜群(神林は今回がラストランの予定で、箱根駅伝のスポンサーでもあるサッポロビールへの入社が内定)。

東海大はスピードが武器の塩澤稀夕、スタミナ抜群の名取燎太、5区で区間賞を狙う西田壮志の4年生トリオを往路につぎ込み、前半勝負に出るつもりだ。

駒大は学生ナンバーワンと呼べる田澤廉で先制攻撃を仕掛けて(筆者は田澤の2区起用を予測)、そのまま逃げ切れるかがカギ。1年生に好選手がそろっており、今回勝つと“黄金時代”が到来する可能性が高い。

▼トリビア18 今年は1年生の当たり年

これまで何度も名前を挙げた三浦龍司(順大)と吉居大和(中大)以外にも今回は楽しみなルーキーが多い。全日本でも1年生3人が区間賞を獲得している。

1区で三浦が猛烈スパートを見せると、4区で石原翔太郎(東海大)が区間記録を32秒も塗り替える区間新。6区では昨年の全国高校駅伝1区10キロメートルを日本人最高の28分48秒で走破した佐藤一世(青学大)が区間記録を19秒更新している。

三浦と吉居は1区で激突する可能性も高く、箱根路でもスーパールーキーたちが火花を散らすことなりそうだ。

フィニッシュテープを切る先頭ランナー
写真=iStock.com/KeithBishop
※写真はイメージです
▼トリビア19 留学生は過去最多タイの5人が出場予定

今回は前回と同じ過去最多タイとなる5人のケニア人留学生がエントリーされた。イェゴン・ヴィンセント(東京国際大)、フィリップ・ムルワ(創価大)、ライモイ・ヴィンセント(国士大)、ジョセフ・ラジニ(拓大)の4人は田澤廉(駒大)以上の走力を誇る。いずれも2区での起用が濃厚。1区次第では2区でトップ争いに加わるだろう。

▼トリビア20 「山の神」は降臨するか?

前回の山登り5区は宮下隼人(東洋大)が1時間10分25秒の区間新を樹立したが、“実質最高”は函嶺洞門を通過していた旧コースで初代・山の神、今井正人(順大/現・トヨタ自動車九州)がマークした1時間9分12秒。この記録に迫る選手が出てくると、「山の神」と呼ばれることになるだろう。なお、5区の連続区間賞は2代目・山の神、柏原竜二(東洋大)以来出ておらず、今回は宮下が挑戦する。

▼トリビア21 青学大、東海大、駒沢大に迫る明治大72年ぶり優勝も
往路を5位でゴールする明治大の鈴木聖人=2020年1月2日、神奈川県箱根町
往路を5位でゴールする明治大の鈴木聖人=2020年1月2日、神奈川県箱根町(写真=時事通信フォト)

青学大、東海大、駒澤大の“3強”に迫る戦力を持つのが過去7度のV経験がある明大だ。前回は17位から6位に急上昇。今年の全日本は青学大を蹴落として、3位に食い込んでいる。エントリー上位10人の10000m平均タイムは2位。

3強と比べて攻撃力は劣るが、優勝ラインが下がると、ビッグチャンスがめぐってくるかもしれない。最後の栄冠は1949年。今回勝つと72年ぶりの歓喜になる。最多14回の優勝を誇る中大も近年低迷していたが、エントリー上位10人の10000m平均タイムは4位。吉居大和という強力ルーキーもいる。「3位以内」を目標に掲げており、実現すれば20年ぶりのトップ3だ。名門校の“復活祭”は見られるのだろうか。

近年は各校の実力が拮抗きっこうしており、優勝争いだけでなく、シード権争いも熾烈だ。そのため、どこからヒーローが現れるのかわからない。11時間ものドラマを自宅でじっくりと堪能していただきたい。

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