※本稿は、『プレジデントFamily2020秋号、2021冬号』の一部を再編集したものです。
脳にいい上手な脂の取り方、あぶら抜きはむしろ中性脂肪が増加
大人も子供も好きな食べ物といえば、鶏の唐揚げ、とんかつ、ハンバーグ、ステーキなどの脂っこい料理。でも、脂質の取りすぎが気になる……という方は多いでしょう。
確かに脂質を多く取りすぎると肥満の原因になり、動脈硬化のリスクも高まります。だからといって、むやみにあぶらを避けるのは感心しません。
なぜ脂質を抜いてはいけないのか。まずはここからご説明しましょう。
脂質は糖質、タンパク質とともに三大栄養素の一つ。エネルギー源になるほか、体の細胞膜や核膜をつくったり、皮下脂肪として体温を調節したりとさまざまな役割を担っています。脳の約60%は脂質でできていますし、神経伝達物質の材料にもなる。脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収にも欠かせず、とても重要な栄養素なのです。
さらにいうと、脂質は消化に時間がかかるため、腹持ちがいいのも特徴です。脂肪が少ない食事はすぐにおなかがすいてしまい集中力が低下します。また、物足りなさから白米やパンなどの主食やお菓子などの糖質を取りすぎてしまいがち。するとインスリンが過剰に分泌され、集中力も低下するほか、血液中の脂肪である中性脂肪を増やし、かえって動脈硬化のリスクが高まってしまうのです!
大切なのは、脂質を適量、食事に取り入れることなのです。厚生労働省の基準では、1日に必要なエネルギー量の20~30%が目安とされています。10~11歳の子供だと約2000㎉を必要とするので、そのうち400~600㎉、重量にすると約55gの脂質を取らなければなりません。100gのロースカツの脂質は約35g、鶏もも肉の唐揚げは3個で約25gなので、前後の食事や翌日の食事で脂質の量を調整すれば、食べてもまったく問題はないのです。
むしろ気をつけたいのは、食事以外の脂質です。おやつにコンビニなどで手軽に手に入る揚げ物を食べるというのは注意が必要です。
大人も子供も大好きなフライドポテトやポテトチップスには脂質に加えて糖質もたっぷり。これをおやつに食べると脂質も糖質も過剰になるばかりか、おなかが膨れて食事量が減り栄養バランスも崩れてしまいます。フライドポテトなら主菜のつけ合わせにして5~10本程度に抑えましょう。ちなみに、じゃがいもは細切りより大きめに切ったほうが油の量は少なくなります。
『プレジデントFamily2021冬号』では、本稿の連載記事「一生モノの『食べ方教室』」のほか、特集「読解力は家で伸びる!」の中で「算・国」苦手克服した子が家でやったこと」「YouTube ゲーム マンガで国語力がつく方法」を、また「体も心もあったまる『ドリンク&スープ』レシピ5」「医学的に正しい『睡眠・入浴・運動』法」なども掲載している。ぜひ、手にとってご覧下さい。