2020年のマーケットは1年を通して乱高下する激しい相場となった。新型コロナウイルスの世界的な蔓延を受け、NYダウは一時暴落し3月23日には1万8213ドルを付けた。だが、各国の大幅な金融緩和を受けて再上昇し、11月24日には終値3万0046.24ドルを付け、史上初めて3万ドルを突破した。その一方、ロックダウンなどで各国経済は大幅に停滞し、低成長や富の偏在の拡大など不安要素は多く、先行きは危うい。『金を買え 米国株バブル経済終わりの始まり』(プレジデント社)を刊行し、金価格2000ドル突破を的中させた江守哲氏が、波乱含みの年明けを迎え、資産を増やす人の「負けない」投資戦略を教示する──。

誰も予想できなかった特異な相場

2020年の株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う経済活動の停滞を背景に、きわめて激しい値動きとなった。しかし、その後は順調に値を戻し、米国の主要株式指数は史上最高値を更新するなど、大方の予想を超える株価の回復を示した。

3月以降の新型コロナ感染拡大や、世界各国でのロックダウンなどの状況を見れば、当時まさか年内に現在のような株価水準に戻すと予想していた人はほとんどいなかったはずだ。