英語スキーマを身につけるための5つのステップ
ここまで読んでくださった読者の中には、やはり大人になってからの英語学習はたいへんすぎるから自分には無理だと思った人もいるかもしれない。
まったくそんなことはない。それを伝えるのが本書の目的なのである。難しいことを難しいから無理だというのでは本を書く意味がない。
しかし難しいことを難しいと言わず、「簡単にマスターできる」と言うのは、ウソであるばかりか、学習に甚大な悪影響を及ぼす。スキーマが根本からズレているのに、ズレていることに気がつかずに、無理やり学習しようとしてもうまく学べるわけがないからである。
日本語スキーマを当てはめていることに気づかずに英語のアウトプットを続けていては、いつまでたっても上達は望めない。
最終的には英語スキーマが、母語スキーマのように身体の一部となり、無意識に使えるようになるとよいのはもちろんである。しかし、そこに至るためには、次のステップを経る必要がある。
①自分が日本語スキーマを無意識に英語に当てはめていることを認識する。
②英語の単語の意味を文脈から考え、さらにコーパスで単語の意味範囲を調べて、日本語で対応する単語の意味範囲や構文と比較する。
③日本語と英語の単語の意味範囲や構文を比較することにより、日本語スキーマと食い違う、英語独自のスキーマを探すことを試みる。
④スキーマのズレを意識しながらアウトプットの練習をする。構文のズレと単語の意味範囲のズレを両方意識し、英語のスキーマを自分で探索する。
⑤英語のスキーマを意識しながらアウトプットの練習を続ける。
②英語の単語の意味を文脈から考え、さらにコーパスで単語の意味範囲を調べて、日本語で対応する単語の意味範囲や構文と比較する。
③日本語と英語の単語の意味範囲や構文を比較することにより、日本語スキーマと食い違う、英語独自のスキーマを探すことを試みる。
④スキーマのズレを意識しながらアウトプットの練習をする。構文のズレと単語の意味範囲のズレを両方意識し、英語のスキーマを自分で探索する。
⑤英語のスキーマを意識しながらアウトプットの練習を続ける。
ポイントは「意識」と「比較」である。最終的には意識しなくても自動的に英語スキーマが使えるようになりたい。しかし、最初のうちは、日本語スキーマとのズレを意識し、さらに、英語スキーマを働かせることを意識しながら練習を繰り返すことを続ける必要がある。
この過程を経て、初めて英語スキーマは身体の一部となって、無意識に自動的に使えるようになるのである。『英語独習法』ではこのことについてもっと詳しく具体的に述べているので参考にしてほしい。