実家でも親に家賃を払えば経費にできる

自宅とは別に仕事場を持っていても、帰宅後や休日に自宅でも仕事をする人は、自宅の家賃、電話代、光熱費などを合理的な按分比率で経費にできます。

持ち家の場合は、仕事用に対応する固定資産を毎年、減価償却費として計上できます。たとえば、事業用の資産が2000万円で耐用年数20年なら、毎年100万円が減価償却費として必要経費になります。

一般的に、持ち家の減価償却費は大きな額になるので、小さい経費をコツコツと積み上げる必要がなくなります。

また、実家に住み、帰宅後や休日などに自分の部屋で副業をする場合、経費の計上はどうすればいいのでしょうか?

ノートパソコンを使用するビジネスウーマン
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親にお金(住居費に相当。食費は除外)を入れていれば、そのお金の6~7割は必要経費に計上できます。

要するに、副業する場所であれば、持ち家の書斎、実家の自分の部屋、事務所など、その形態や名称を問わず、適正な按分比率であれば、経費として計上できます。その按分比率の算出には、前述した「使用面積」「使用日数」「使用時間」のうち、いちばん有利なものを採用すればいいのです。

年末に10万円以下の物を買うと得するワケ

クルマやパソコンなどの購入金額が10万円以上で、何年も使用できるもの(固定資産という)は、一括で購入しても支払った年に全額経費にはできません。

固定資産は年を経るごとに価値が下がる(減価する)ので、使用期間(耐用年数という)で按分し、毎年少しずつ必要経費に計上していきます。これを「減価償却」といいます。

耐用年数は固定資産(コピー機、テレビなど)ごとに国が決めています。たとえば、20万円のパソコンの法定耐用年数は4年ですから、20万円を4年間にわたって年に5万円ずつを減価償却費として処理します。

要するに、取得費用を耐用年数に応じて数年に分けて費用計上していくので、減価償却費とは「経費の分割払い」です。なぜ、こうした処理をするのでしょうか?

それは、正確な損益を出すためです。もし、購入した年に一括で経費計上すると、最初の年と他の年とでは経費負担に大差が生じ、経理上の正確性を欠きます。

それに、購入した年に一括計上できるなら、利益が多く出た年に高額品をまとめ買いすれば、必要経費が大きく膨らむため、節税の有力手段になるからです。実際、儲かった年の年末に10万円未満の物品を買うことは、超簡単な「節税テク」です。