日本への導入はどうなる?

冒頭でも触れた通り、日本も同じワクチンを来年上半期に導入する。ワクチンのないこの冬は国民がそれぞれ感染対策を充分に行いながらやり過ごすしかない。接種する上での安全性もまだはっきりしない中、しばらくは「ウィズコロナ」の窮屈な暮らしを強いられる、と覚悟するしかないのだろうか。

日本は6000万人分(1億2000万回分)の供給を受けることでファイザー社と基本同意している。厚生労働省は、超低温冷凍庫を3000台確保する一方、10月の段階で「実施主体となる市町村が接種を迅速に開始できるよう、必要な人員体制の確保などを求める通知も出した」(時事通信、12月3日

ファイザーは「民間部門にはワクチンを卸さない」という方針を固めている。日本の仕組みから考えると、民間の医療機関ではなく、各自治体にある保健所もしくは保健所が設置する「接種センター」のような施設で打つことになるようだ。

「10万円給付」でもかなり混乱したが…

しかし、ワクチンが入荷していよいよ一般市民に接種をとなる段階で、「接種該当者に対し、いかに知らせて、かつ時間通りに接種に来てもらうか?」という課題が浮かび上がってくる。

日本では、10万円特別定額給付金の手続きをめぐり、かなりの混乱があったわけだが、もしワクチンの場合これに「年齢層ごとに打つ」という条件が付くとなると、行政や保健所等が「接種のお知らせ」を作って送るにしてもかなりの工夫が必要になってくるだろう。

それに加え、ファイザー製ワクチンに関しては、一旦解凍すると4~6日しか持たないという有効期間の制約がある。これらの条件をクリアするとなると、接種する側、される側の双方にかなりのプレッシャーがかかると予想される。

英国では接種の従事者として、医師や看護師はもとより、医学生や獣医師まで動員。研修を受けさせて、広い会場で一気に打つ、という作戦を組みつつある。果たして日本はどのような作戦で「ワクチン接種という大イベント」に立ち向かうのだろうか。

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