香港市民として当然の行動を、中国政府は犯罪行為とみなす

収監中の香港の民主活動家3人に対する判決公判が12月2日に開かれ、実刑が言い渡された。3人は黄之鋒(24)、周庭(23)、林朗彦(26)の各氏。それぞれ13カ月半、10カ月、7カ月の禁錮刑だった。

違法集会の容疑で法廷する周庭氏
写真=NurPhoto via AFP/時事通信フォト
民主活動家の周庭氏=2020年11月23日、香港

3人は中国への犯罪容疑者引き渡しを可能にする条例案の撤回を求める昨年6月21日の集会で、他の民主派の若者や学生たちに参加を強く呼び掛けたとして公安条例違反の罪に問われた。

黄氏は集会を組織した罪も問われ、一番重い量刑となった。周氏は集会で拡声器を持って呼びかけるなど積極的に活動したと認定された。

香港の自由を守ろうと、集会やデモに参加したり、参加を呼び掛けたりする。香港市民として当然の行動である。だが、中国と香港の両政府はその行動を犯罪行為とみなす。異常な弾圧行為だ。国際社会は香港司法当局の誤った判決を糾弾し、中国・香港政府に対して3人の無罪と釈放を強く訴えなければいけない。

3人の収監が民主派に与える影響は甚大

12月2日の判決言い渡しで10カ月の量刑を聞き、周氏は涙を流したという。周氏は翌3日に24歳の誕生日を迎え、友人や仲間たちと祝う予定だった。現地メディアによると、周氏は上訴申立期間中の保釈を申請したが却下され、収監された。

3人の収監が民主派に与える影響は甚大だ。特に周氏は女神的存在で香港市民から人気が高い。実刑判決によって民主派の活動家を脅して黙らせる。これが中国・香港政府の狙いでもある。

3人は、香港政府トップを選ぶ行政長官選挙の民主化を求めて道路を占拠した2014年の雨傘運動の中心メンバーだ。これまで香港民主派の主張を世界各国に強く訴えてきた。

中国の習近平(シー・チンピン)政権はそんな3人が怖いのだ。第2、第3の周氏が現れては困る。それゆえ香港市民に対する見せしめとして3人の民主活動家に実刑判決を下したのである。