世界一環境にやさしいサッカークラブ
オランダをはじめ、ヨーロッパ全体で今「サステナブル(持続可能)な生き方」が大きなトレンドだ。近年の夏の異常気象も手伝って、環境問題に意識的な人が特に若い世代で増えている。
それは組織やブランドのあり方にまで浸透している。
イギリスでは世界初となるサステナブルなサッカーチーム「フォレストグリーン・ローヴァーズ」が生まれた。同チームが創設されたのは1889年だが、大手グリーンエネルギー会社がオーナーになった2010年より方向転換。自家発電による農薬を使わないオーガニックな芝作り、雨水の再利用にプラスチックをカットしたユニフォーム作りと、サステナブルな取り組みを徹底して行う。
その結果、2018年7月には二酸化炭素の排出量と吸収量が同じになる「カーボンニュートラル」な世界初のスポーツクラブと国連に認証、つまりは「世界一環境にやさしいサッカークラブ」とお墨付きをもらう。経営困難だった極貧サッカーチームが知名度を高め、今では世界中から多大なサポートを受けるほどの人気を得ている。
オランダでは2011年にサステナブルデニムのブランド「Kings of Indigo」が誕生し、ここ数年ではサステナブルを掲げる多くのファッションブランドやセレクトショップが続々と立ち上がっている。中にはサステナブルなハンガーのブランドまであるから驚きだ。
これらのファッションブランドは環境に負荷の少ないリヨセルやオーガニックコットン、リサイクルされたペットボトルなどを材料として使い、工程上の水の使用も大幅に抑えた商品を作っている。最近では大手ファストファッションブランドのH&MやZARAでもサステナビリティーを推した商品を多く作っているので、ファッション業界全体を巻き込む大きな流れであることは明らかだろう。