地方大学の就職デメリットが解消

地方大学は就職に不利といわれてきたし、実際さまざまな不利を被ってきた。なにしろ企業合同説明会に行くだけでも、大学でバスをチャーターし、参加希望の学生を乗せて遠征する必要があった。また学生たちは面接のために、大阪や東京を往復する必要があり、経済的にも時間的にも大きな負担となっていた。

ところが今年は、多くの企業が説明会や面接をリモートに切り替えたため、こうした地方の不利が一気に解消されたのである。

企業側がリモートでの採用に手間取っていたために、内定時期は例年よりも遅い傾向が見られたが、夏休み以降は順調に推移し、現在までの内定率は、昨年とほとんど変わらない。しかもいままで採用実績がなかった会社から、内定を取る学生が何人も出てきた。

リモートのお陰で、いままでは地理的に無理だった会社でも、受けられるようになったからである。企業側にとっても、人材募集の枠を全国に広げられたメリットは大きかったはずだ。リモート採用によって、地方と都会の就活格差は消滅しつつある。

悔いのない選択をするための「情報」

18歳人口が減少するなか、地方小規模大学を取り巻く経営環境は厳しさを増すばかりだ。だが今回のコロナ禍では、むしろ地方小規模大学ほど、その強みをいかんなく発揮できたと思う。

学校の机にテキストとマスク。
写真=iStock.com/Natalia Bodrova
※写真はイメージです

大都市の総合大学、有名大学はいまも遠隔授業中心で、学生たちの不満が日に日に高まっていると聞く。都会でのキャンパスライフなど、期待していたものが大きかっただけに、失望も大きいのだろう。しかも大学からのサポートが薄く、授業料も減額されないのでは、不信感や不満が高まるのも無理からぬことである。

コロナ禍がいつまで続くか、見通しは立ちにくい。有効なワクチンができたというニュースが聞こえてきたが、日本に十分に供給されるまでには、まだ相当の時間を要しそうだ。それにワクチンの安全性や有効性に、疑問を抱く専門家も少なくない。

そうしたことも含めて、Withコロナ時代は不安だらけである。だが地方小規模大学なら、充実した学生生活をエンジョイできるし、就活で不利を被る心配も大幅に減った。大学選びで迷っているひとは、この「事実」を理解したうえで、悔いのない選択をしていただきたいと願っている。

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