いま、YouTubeなどで有名人によるモーニングルーティン(朝の習慣)が、たびたび取り上げられている。精神科医の樺沢紫苑氏は「最高のモーニングルーティンは1日30分の朝散歩です。それには3つの科学的根拠があります」という――。

※本稿は、樺沢紫苑『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

散歩
写真=iStock.com/VTT Studio
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ストレスフリーを目指すための最高の習慣

いま、YouTubeなどで有名人によるモーニングルーティンが話題ですが、精神科医としておすすめの最高のモーニングルーティンが「朝散歩」なのです。

方法は簡単です。朝起きてから1時間以内に15~30分の散歩をするだけです。それだけで、セロトニンが活性化し、体内時計がリセットされ、「副交感神経」から「交感神経」への切り替えがうまくいき、自律神経が整えられるのです。ストレスフリーを目指すのに、こんなに効果的な健康習慣はありません。

ファクト1:朝散歩の科学的根拠とは

私は25年間以上、精神科医として、メンタル疾患が治りやすい人と治りにくい人の特徴を観察してきました。メンタル疾患が治りにくい人の特徴は、「昼まで寝ている」ことです。

実際に「昼まで寝ている」という患者さんが、「朝散歩」をはじめた途端に、症状が急激に改善する事例を多数観察し、現在では一般の人にも「朝散歩」をおすすめしています。何年も治らなかったうつ病やパニック障害などのメンタル疾患が、朝散歩をするようになってから「ものすごくよくなった」という報告をたくさんいただいています。

メンタル疾患がない人でも「朝散歩」をすることで、午前中の仕事のパフォーマンスがアップし、睡眠も深くなる効果が得られます。

精神科医が教える ストレスフリー超大全』(以下『ストレスフリー超大全』)では、「睡眠」「運動」「食事」を整えることの効能に触れていますが、朝散歩は健康になるためのすべての要素を含んでいます。朝散歩は、メンタルにおける最強の健康法といっていいのです。