「階級社会」である欧州

日本人が思う以上に欧州は階級社会です。例えばドイツでは苗字をみて貴族の家系だと分かることもあり、この苗字を求めて偽造結婚をするなどの問題もあります。そもそもなぜそういうことが起きるのかというと「貴族の家系であることが分かる苗字だとはくがつき、仕事も含めてさまざまなことがスムーズにいくから」です。

日本には「仕事に貴賎はない」という言い回しがあり、どの仕事も必要で尊いものだという価値観があります。ところがドイツを含む欧州では「仕事の内容」を時に「階級」とつなげて考える傾向も見られます。

例えばドイツでは大学に行かないと就けない仕事(弁護士、医者、教師や教授など)の人がAkademikerと呼ばれていますが、彼らが「大学を出ていない職人系の仕事の人」と交わることはまずありません。双方にプライドがあり、互いに一線を課しているため、交友関係もある程度決まっているのです。

そうはいっても、そのような風潮も近年は徐々に変わりつつあり、こと王室に関していえばびっくりするほどの変わりようです。例えば、スウェーデン王室のヴィクトリア王女が結婚した相手はスポーツジムのトレーナーで、王女と出会った時、彼の月給は11万円程度でした。身体を壊していたヴィクトリア王女がスポーツジムに通い始め、その際についた専属トレーナーが彼だったというわけです。

スポーツジムでトレーニングする男女
写真=iStock.com/skynesher
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アカデミックな仕事ではなくジムのトレーナーという仕事をしている彼のことを書きたてる現地のタブロイド紙もありました。その内容は酷いもので彼が当初標準語を話さず訛りがあったため「田舎者」呼ばわりされたり、顔がカエルに似ているとして「カエルの王子様」と書かれるなど散々な言われようでした。

しかし二人の結束は堅く、長年に渡り「恋人の改造計画」が行われました。家庭教師のもとで歴史やマナーの学習をするなどの努力が実を結び国民からも祝福され結婚に至っています。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」小室さんへの揚げ足取りが酷い

小室さんへのバッシングは常軌を逸しています。これはもう「彼がどう動けばよいのか」という話ではなく、まさに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の世界です。インターネットではとにかく「彼のやることなすこと全てが気に入らない」といった感情的な意見が目立ちます。

例えば「本当に眞子さまを大事に思っているならば海外に逃げて勉強なんかしていないで、国内でキッチリ働くべき」という「意見」があったりしますが、小室さんがかつて国内で働いていた頃は「給料が低い」と散々な言われようでした。

もしも今後「高給の良い仕事」に就けたら、それはそれでまたきっと「上昇志向が強いのはどうかと思う」とか「コネでよい仕事に就くなんて許せない」なんて声が聞こえてきそうです。

小室さんは眞子さまにふさわしい相手になろうと異国で勉学に励んでいるのですから、これを非難するのはおかしな話だと思います。「眞子さまの幸せを思って(小室さんとの結婚に)反対している」といった投稿も目立ちますが、なんだかモラハラ臭がプンプンします。眞子さまと小室さんに関しては「国民総モラハラ」の状態です。