現在は「支店長室にはほとんどいない」というほど、大分県内を飛び回り、店舗に足を運ぶ毎日。店舗を切り盛りする奥様や美容部員との接し方も、基本は同じだ。相手の気持ちに寄り添い、懐に飛び込む。店舗からは「原さんは、店内のお花や店員の髪形など、小さな変化にもすぐに気づいてくれる」と喜ばれる。大分に赴任して半年とは思えないほど地元に溶け込み、取れたての野菜や手づくりのお惣菜を持たされることもしょっちゅうだという。

「専門店は家族経営が多く、接客の中心である奥様たちは本当に忙しい。朝から晩までお店に出ていて、テレビを見る暇もないんです」

時にそんな奥様と昼食をともにする。

「外から情報を運び、茶飲み友達のように話をするのも、私の役目。威厳がなくて『支店長』らしくないかもしれませんが、それが私です」

■服装や靴の選び方…落ち着いて見えるようにシンプルなスーツ、靴を選んでいる。インナーの色は、流行を意識して取り入れる。

■お客様との接し方…店舗を切り盛りする奥様をランチに連れ出すことも。ファッション情報や他店の情報を伝えると喜ばれる。

■セクハラ防衛法…今は女性部下を守る立場なので、自分では気づかずにセクハラ発言をしている男性には、「それは言っちゃダメ」とはっきり注意する。

■ONとOFFの時間…一番のストレス解消法は、近くのデパートでの買い物。1日に3回足を運ぶことも。他ブランドの接客を勉強できるので一石二鳥になる。

■自分のセールス点…とにかくポジティブ。何があっても死なないのだからチャレンジしようと大きな仕事も受けてきた。同僚からは「武闘派」と呼ばれる。

(笹山明浩=撮影)