ビジネスモデルの設計においても最重要
これはあくまで一例ですが、ビジネスを行っていると、こんなふうにほとんどあらゆることが数字に落とし込むことで、適不適に分けられます。飲食店であれば、「食洗機を入れるべきか」「食器の拭き上げを誰にやらせるのか」「グラスの数はどれだけ必要なのか」といった点について、最適解を割り出すことができますし、販売業なら、「一日何軒訪問すればいいか」「新商品を投入するのはいつがいいか」「仕入れ先を選定するときの基準は何か」など、やはりビジネスのさまざまな要素の最適化をはかることができます。
そうやって数値化を物差しとして使うことで、利益をあげやすいオペレーションや事業スタイルを可視化することは、起業後の事業運営でも重要ですが、起業時のビジネスモデルの設計においても最重要です。
ビジネスの解像度を上げて、より勝てる前提条件に近づけるために、ヒト、モノ、コストなど、すべての要素を洗い出して数値化することで、中途半端なカウンターを設置してしまわないように、合理的な数字を目指してビジネスを組み立ててください。
日常生活で鍛えられるビジネスのからくりを見抜く力
ところで、数字意識は普段の生活の中でもゲーム感覚で鍛えることができます。レストランに入ったら、「この立地でこの広さだったら家賃はだいたいこれくらいだろう。とすると、一日これくらい稼ぐ必要がある。そのためには粗利が半分としても、これくらいの客単価のお客様が○人くらい入る必要がある」などと計算してみるのです。
そう考えると、イベントの集客も、電車の中の広告も、テレビコマーシャルも、目に入るあらゆるものが、数字意識をトレーニングする材料になります。「一本300円の飲料水を告知しているこのコマーシャルは、いったいどれくらい飲料水が売れればペイするのだろうか」などと考える癖をつけると、ビジネスのからくりがだんだん見えてきて楽しいですよ。