通勤手当を廃止し、代わりに在宅勤務手当を支給する企業がある。元国税調査官で税理士・産業カウンセラーの飯田真弓氏は「通勤手当は原則、非課税だが、在宅勤務手当は課税対象になる。勤め先の担当者が税務に疎いと、従業員の税負担だけが増えてしまうことになる」という——。
在宅勤務
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リモートワークの広がりで、通勤手当の廃止が増えてはいるが…

「国土交通省、厚生労働省から新型コロナウイルス感染症対策に関するお願いです。混雑した鉄道車両内は一般的に感染を拡大させるリスクが高いことから、車両混雑を緩和することが有効です。このため、乗客の皆さまにおいては、テレワークや時差通勤といった取組を積極的に行っていただきますようお願い申し上げます」

電車に乗ると、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、上記のようなアナウンスが流れるのも慣れっこになった。

2020年の頭に日本で流行し始めた新型コロナウイルスはおとろえを見せることなく、インフルエンザが流行する冬場を迎えようとしている。

新型コロナウイルスの感染拡大対策は、さまざまなシーンに影響を与えている。今までなかなか進まずにいた日本の働き方改革も加速した。

その一つが在宅勤務、リモートワークと呼ばれている働き方だ。リモートワークが広まることにともなって、廃止されつつあるのが通勤手当の支給だろう。

今回はこの通勤手当と、それに代わるものとして支給が考案されている手当について考えてみたいと思う。