アフリカでは「雇用の半分」が脅かされる
アフリカでは今回の危機によって雇用の半分が脅かされる。
しかも、外国に居住するアフリカ人労働者の祖国への送金(在外国民の送金がGDPに占める割合は、レソト王国で16%、セネガルで10%、ナイジェリアで6%)は、セネガルで30%減、ナイジェリアで50%減の見込みだ。
総括すると、これまで微増あるいは微減を経てきたアフリカ人の平均的な生活費の水準は、2020年に少なくとも5%減になるだろう。
これまでに紹介した以外の新興国の状況も芳しくない。2015年と2016年の歴史的な不況からいまだに回復していないブラジルは、2020年のGDPが9%減になる恐れがある。ブラジルの失業率は11%から24%に上昇するだろう。とくに、非公式経済で働く3000万人の労働者に対する影響は甚大だろう。
また、この間もアマゾン熱帯雨林の森林破壊は進行しており、2020年に入ってからの4カ月間、前年同期比で55%増という記録的なペースで加速した。1月上旬から4月末にかけて、1202平方キロメートルの森林が破壊されたのだ。