芸能界復帰については「僕が戻りたくてもねぇ……周りの皆さんがどう思うかですから」と語って去っていったそうだ。「多目的トイレ不倫」という、お笑い芸人には致命的ともいえる“肩書”が彼の後ろ姿に張り付き、哀れさえ催す。

2人には“出来過ぎた妻”だと思うが、夫たちにとって本当のいばらの道はこれから始まるのである。私のささやかな経験から見ても、妻はこのことを一生忘れてくれはしないからだ。

何年経っても、テレビや週刊誌で不倫報道を見れば、瞬時に夫の不倫が甦り、態度は急変して、「あの時あなたはあの女と」と怒り出すのである。そういうときは頭をうなだれ、嵐が過ぎるのを待つしかない。

もちろん、2人のような包容力のある妻ばかりではない。

「同じ地獄を見せたい」と息巻いた貴城けい

女優・鈴木杏樹と密かに情を通じていたことがバレた夫の俳優・喜多村緑郎に対して、宝塚の元トップスターだった妻・貴城けいの怒りは苛烈を極めたようだ。週刊文春(5月7・14日号)によれば、

「彼女は知人に対し、次のようにぶちまけていた。
『あの人(杏樹のこと)は芸能界で清純派や癒し系と言われていますけど、夫を寝取った。物事の順序を守れないのは純愛じゃなくて自己愛でしょう』
貴城は身内に対して、『(杏樹に=筆者注)私と同じ地獄を見せたい』とまで語っていた」という。その理由は、

「普段、喜多村さんは和食を好み、貴城さんが好きなイタリアンレストランなどには行こうとしなかった。でも、今回、杏樹さんとは複数回、千葉県内のイタリアンで食事をしたことが発覚し、彼女は絶望していました。また今となってみれば夫の言動に不審な点もあったそうです。彼は制作発表会や記者会見の日などを除き、1年のうち99%はジャージ姿。『ジーパンに革のジャンパーで出かけた日はあの人とのデートに違いない』と話していました」(貴城の知人)

喜多村のこれからの夫婦生活も苛烈を極めるに違いない。

しかし、このように曲がりなりにも元の鞘に収まるケースばかりではないこと、いうまでもない。

夜景を背景に向かい合う男女の手
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不倫発覚で強くたくましくなるようだ

年下の女優と不倫していた俳優の東出昌大は、妻子の元へ戻りたいと、何度も妻の杏に頭を下げ許しを乞うたが、杏は頑として許さなかった。

私は、杏の娘時代に父親・渡辺謙の女性問題で泣かされたことが背景にあると思う。そんな家庭に嫌気がさし、それとは違う平凡で波風の立たない穏やかな結婚生活を望んでいた彼女は、夫の裏切りが、自分の人生を全否定されたように思えたのではないか。

彼女は決然として離婚した。