5人の女性と不倫していたと報じられた『五体不満足』の乙武洋匡は、報道後に妻と一緒に謝罪文を出して、いったんは鞘に収まったかに見えた。

だが、報じられているところによると、乙武自身が不貞行為を繰り返してきた加害者であるにも関わらず、被害者である仁美さんに辛く当たり続けたことなどがあって、妻のほうから離婚を持ち出されてしまったというのである。

不倫夫としての分をわきまえない振る舞いが、妻の怒りを買ったのだろう。

こうして見てみると、不倫した夫はうなだれて家の中に逃げ込んでしまうケースが多いが、妻たちは不倫発覚をきっかけに強くたくましくなるようだ。

そこで思い出したのは、世界人権宣言の起草者として名高い、32代アメリカ大統領ルーズベルトの妻・エレノア・ルーズベルトのこの言葉である。

「女はティーバッグみたいなもの。熱湯につけられてはじめて、その強さに気づくのです」

男は逆境に弱いが、女は逆境になればなるほど、その強さを増すのである。男の本質は、ウソつきで偽善者で小心者だと相場が決まっている。それを隠すために肩書や権力を欲しがるのである。

だが、そのメッキが剥がれ、生身の自分が晒されたとき、男は醜態をさらけ出し、逃げ惑い、妻のスカートの下に隠れようとするのである。

不倫報道を機にテレビの売れっ子に

ところで近頃、金子恵美という元衆院議員をテレビで見ることが多くなった。現役時代、美形の代議士として有名だったが、彼女の名前を日本全国津々浦々まで知らしめたのは、夫の宮崎謙介元衆院議員であった。

2016年、宮崎議員(当時)は、妻の金子恵美が第一子出産間近というとき、男性国会議員として初の育児休暇取得を宣言して注目された。

その“イクメン”議員が、妻が出産で入院しているのに、選挙区である京都へ行って、自宅マンションに女性タレントを引っ張り込み、不倫していたことを週刊文春に報じられてしまったのである。

診療室の空の病床
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国会に報道陣が大挙して押し寄せたが、逃げ続けた宮崎議員は、ようやく記者会見に応じ、「欲が勝ってしまった」と不倫を認め議員辞職を表明した。

宮崎はバツイチであった。2006年に加藤紘一元官房長官の娘・加藤鮎子衆院議員と結婚している。だが、わずか3年後に離婚したのは、やはり宮崎の女性関係が原因だったと報じられた。

妻の出産中に不貞を働く夫を、妻の金子恵美は許すはずはない。彼女は宮崎を捨てるだろうと周囲の人間は見ていたが、恵美は「離婚はしない」といい続けた。

その後、恵美も落選し、捲土重来を期さずに、テレビに出始めたのである。特に恵美のほうは、ワイドショーのコメンテーターとして売れっ子になり、自らの不倫騒動にも嫌がることなく答えるタレントとして活躍している。