菅首相には金正恩氏との日朝首脳会談を実現してほしい

産経社説は続けて主張する。

「軍事パレードから分かるのは、北朝鮮が核・弾道ミサイル戦力を放棄せず、その強化に邁進するという頑なな姿勢である」
「強制収容所で自国民を残酷に弾圧する北朝鮮の独裁者が、いつもの罵詈雑言を控えたからといってだまされてはいけない」

やはり北朝鮮が目指すのは、「核・弾道ミサイル戦力の強化」以外にない。それゆえ、金正恩の演技と北朝鮮国家の演出に騙されてはならない。

さらに産経社説は訴える。

「菅義偉政権は、今も強化されつつある北朝鮮の核・ミサイルの矛先が日本に向いている点に危機感を持ってもらいたい。脅威の解消に向け外交、防衛の両面で努力すべきである」

安倍晋三前首相が金正恩氏に相手にされなかったからといって菅首相は諦めてはならない。まずは金正恩氏に直接会う日朝首脳会談を実現して、拉致問題の全面解決に結び付けてほしい。

軍事に国家予算の多くを注ぎ込めば、国民の生活レベルは落ちていく

産経社説と同じく、保守的な論調の読売新聞の社説(10月13日付)も「『北』の兵器誇示 苦境打開には核放棄が本筋だ」との見出しを立てて、こう指摘する。

「(軍事パレードで)目を引いたのは、米国を射程に収めるとみられる新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)だ。2018年に公開されたICBMよりも、胴体部分が長く、直径が太かった。弾頭部も大きくなった」
「射程が伸び、複数の弾頭を搭載できるようになった可能性がある。発射実験は行われておらず、性能を見極めるのは難しいが、脅威の増大に注意が必要だ」

これだけ軍事に国家の予算を注ぎ込めば、国民の生活レベルは落ちていく。金正恩氏の政治は大きくゆがんでいる。

読売社説も核・ミサイルの開発断念を強く求める。

「金委員長は、『過酷で長期的な制裁』により、物資が不足している状況を嘆いた。だが、そもそも各国が制裁を段階的に強化してきたのは、北朝鮮が核実験を何度も強行したからだ」
「制裁解除への唯一の道は、核兵器と関連物質・施設を検証可能な形で廃棄し、弾道ミサイルの脅威を除去することである」

制裁を解除するには軍事力への異常な予算をカットするしかない。