「0葬」という火葬場でお骨を持ち帰らない葬送法

近藤氏が手掛ける火葬プランは、葬儀というよりは、全てをそぎ落とした死後の手続き代行に限りなく近い。

また、近藤氏は、火葬プランだけでなく新しい葬法の形である「0(ゼロ)葬」を行っている、数少ない葬儀業者の一人でもある。

0葬とは、宗教学者の島田裕巳氏が提唱した「火葬場でお骨を持ち帰らない」という葬送法だ。通夜も葬儀もなし、墓もなし、遺骨も何も残さずに、故人は火葬場で「さようなら」。遺族は、火葬場や病院で最後のお別れをする。立つ鳥跡を濁さず。私も、自らのお墓はいらないし、0葬がいいと感じている。

アマゾンの2万1000円の棺への反響は、かつての大きくて不透明な金額の葬儀に対する拒絶の証しに思える。とはいえ、イチから自分たちだけでやるのは難しい。遺体を運んだり、手続きで走り回るのに気後れする人も多いだろう。なので、どこまでを自分たちでやり、どこまでをプロに任せるかを、事情をくんでくれる業者と話し合いながら決めていくのが現実的な落としどころになる。ネットを調べると、近藤氏のように低額で火葬をサポートする業者はいくつも出てくる。

経済が右肩下がりで先の見えないこんな時代だからこそ、「煩雑な死後のもろもろ」について淡々とナビゲートし、適正価格で提供してくれる近藤氏のような業者の存在は、私たちの力強い味方と言えるのではないだろうか。

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