大切なのは出世よりも現状

会社の場合、転勤に関しては、ハッキリNOと言う人がいます。

かつて海外転勤なども管理職への登竜門でした。しかも、転勤先は欧米などが多く、そこで何年か過ごして帰国すれば、出世コースが待っているのが慣例でした。

でも、いまは「海外勤務は考えさせてください」と結構な割合の若手が答えます。最終的に断るケースも少なくないようです。赴任先も欧米は少なくなって、衛生事情が良くない赴任地が増えていますし、共働きがほとんどの時代では配偶者も大きな決断を迫られます。子育てや高齢の親の介護を抱えている人にとっても簡単に首を縦に振れない話でしょう。

仕事重視の上司と生活重視の若手

かつては、海外勤務するためにはTOEICで750点以上などの厳しい規定がありました。断る人が増えたいまでは、そんな高いハードルを設けている余裕はありません。会社によっては基準を半分近くまで下げたり、あるいは英語力不問を掲げる大企業もあります。

転勤を打診して断られた中高年の上司にしてみれば「あいつは部長候補だから箔をつけてやろうと思っていたのに、どういうつもりだ」と憤慨してしまう。でも、いまや部長候補になることが、彼らが考えているキャリアパスとは限りません。