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大学職員の“ブレーン機能”充実化を図った大学は、企業との連携、学生のキャリア支援など、細かい部分にまで目が行き届き、結果として高い就職率を誇る。一方、旧態依然として、教授の力が強いままの大学は、組織改革がままならず、大学経営の圧迫にも繋がり、悪循環を引き起こしているというのだ。

ブランド力アップに成功した大学はどこか。大学通信のデータをもとに10年度新卒者の就職先を大学別で出してみると、一目瞭然だ。前出のみずほFGは、慶応大、早大、上智大など私大で軒並み1位。国立大でも一橋大など、まんべんなく採用している感がある。

国立大では、東大の日立製作所、NTTデータ、富士通、京大の三菱重工業、トヨタ自動車、関西電力など、理系学生のメーカー志向が顕著に表れている。また、野村総合研究所(京大、東京工業大)、日本学術振興会(京大)といったシンクタンク系企業の就職も見逃せない。一方、私大では、マスコミに強い早大がNHKに64人入ったことや、上位5社すべて金融関連企業の慶応大などが、それぞれのカラーを出しているといえるだろう。

「一に雇用、二に雇用、三に雇用」。民主党代表選で菅直人首相は連呼したが、雇用に困らない社会を実現し、学生たちに笑顔が戻る日は来るのだろうか。

(ライヴ・アート=図版作成)