今後の注目は郵貯の社宅跡地と臨海副都心エリア
不動産情報にアクセスする入り口には、(1)住宅情報誌、(2)インターネットの住宅情報サイト(「Yahoo!不動産」「日経住宅サーチ」「住宅情報ナビ」など)、(3)新聞の折り込みチラシ、(4)不動産会社などがある。
最初にチェックするのは、(1)か(2)がよいだろう。希望するエリア、広さ、価格などの条件が絞り込めていればネットで検索するのが便利だし、絞れていなければ情報誌を眺めるところから始めればいい。
住宅情報誌やインターネットの住宅情報サイトは、売り主から広告費を受け取って情報を掲載する広告媒体だが、内容は出版社なりサイト運営者なりの目で一度チェックされている。多くの場合は各社で法律や業界の自主規制にもとづいた審査基準があり、掲載に不適な広告表現や会社は排除している。その意味では、不動産会社が自分で出している広告よりも信頼性が高いといえる。さらに、重要項目が網羅されていて見やすいという利点もある。
いずれも希望に近い物件をたくさん見て、相場感覚を養うことが大切だ。希望に近い物件が見つからない場合は、譲歩できるのはどの条件なのかも考えてみるとよい。こうした下準備なしで、いきなり不動産会社を訪れるのはおすすめしない。予備知識ゼロでは、売り手側のいいなりになりかねないからだ。
(3)の新聞の折り込みチラシは、家に居ながらにして情報を得ることができる点が便利だが、内容の信憑性が気になる人もいるだろう。しかし最近では、誇大広告や虚偽広告のような怪しげな売り文句を見ることはほとんどなくなった。チラシは不特定多数の家庭に配布されるため、誰が目にするかわからない。公正取引委員会やライバル会社が見ないとも限らないので、おのずと表現は慎重に正確にならざるをえない。気をつけたいのは地域限定で配られるモノクロのチラシぐらいである。
ところで、広告では大きなキャッチフレーズに目を奪われがちだが、小さな字で書かれた内容こそしっかりチェックしたい。「売り主」「設計・監理会社」「施工会社」「用途地域(住居地域、工業地域、商業地域などの別)」といった重要項目は、たいてい小さく書かれているからだ。
また、広告には「予告広告」「本広告」「シリーズ広告」という種類があるので、それぞれの役割を頭に入れておくと、より情報が活用しやすくなる。予告広告やシリーズ広告の一部では、販売価格などの重要項目が未記載の場合もあるが、その後に出る本広告、あるいはシリーズ広告の続きに掲載されるので、興味がある物件を見つけたら、継続的にチェックを入れていくことだ。
希望する物件の条件が絞れて、相場がつかめてきたら、不動産会社(仲介会社)を訪ねてみるのもよい。中古物件を探す場合は、REINS(レインズ)という中古売り物件のデータベースが役に立つ。事業者専用の共有データベースなので、一般の人はアクセスできないが、多くの不動産会社で利用されており、遠隔地の物件を探す場合でも、地元の不動産会社で即時に情報を入手できるという利点がある。
待っているだけでよい不動産情報をつかむのは難しい。いい物件は早く売れてしまうので、自分から積極的に情報を取りに行くことが大切だ。