また、20年度に入り法改正され、制度期間が42年までと、5年間延長されました(ただし非課税期間は最長20年)。短期の値動きの変動を受けないためにも10年以上の運用期間が望ましく、今回の期間延長によって、50歳以上の方が新規に始める場合でも、積立期間を十分に確保することができるようになりました。

これによって、アクティブに投資に取り組んでいるベテラン投資家にとっても長期投資の1つの手段として活用することができるでしょう。

つみたてNISAの最大のメリット

つみたてNISAの最大のメリットは、積み立てたお金の引き出しはいつでも可能で、自由度が高いことです。注意点は、非課税枠は使い回しできないため、1度売却してしまうと非課税の運用期間が残っていても優遇はそこで終了となります。また、他の口座の投資商品との損益通算はできない点や、金融庁の決まった基準をクリアする必要性から、積極運用の商品のラインアップが少ないなどの点があります。

イデコは「自助努力の制度」で、自分のための年金を自分で積み立てる制度です。あらかじめ用意された定期預金、保険、投資信託といった金融商品を自ら運用し、60歳以降に分割または一括で受け取る仕組みとなっています。メリットは、「掛け金」「運用益」「給付を受けるとき」に税制優遇を受けることができます。

特に、掛け金を出すだけで、税金が少なくなる点はつみたてNISAにはないメリットです。運用期間中は何度売り買いしてもよく、売却益や分配金は非課税です。掛け金の拠出は、口座振替で行い、毎月5000円から積み立てることができます。イデコは利用者の職業や勤務先の企業年金制度の有無などによって、年間に拠出できる掛け金の限度額が異なります。勤務先に企業年金がない会社員の場合、年間の拠出限度額は27万6000円で、自営業の場合は81万6000円となります。

注意点は、お金の引き出しは原則60歳になるまで不可となっています。また、受け取り時は資産全体が課税対象になるため、「退職所得控除」や「公的年金等控除」を適用して所得税などを安くすることになります。

投資可能な年齢は法改正により、現状の60歳未満から65歳未満までに延長されました。これによって現在、50代の方でも投資期間を確保することができるようになりました。「人生100年時代」の先は長いので、老後資金と使途を決めている場合はイデコに振り分けるのがよいでしょう。

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