「お金に働いてもらい」収入を得る

また、投資でお金を得ることに拒否反応が強い人も存在しますが、「投資で得た10万円」も「労働で得た10万円」も金銭的な価値は同じです。むしろ、「お金に働いてもらい」収入を得ることは、賢くスマートな生き方です。こういった考え方が「品格=余裕」のある人生では必須になってきます。

テクニカルアナリスト 馬渕磨理子氏
テクニカルアナリスト 馬渕磨理子氏

株取引は長期投資の側面もありますが、株を安く買って、高く売るといった短期の値動きから利益を確保する取引が一般的です。株を保有して1日で利益を確保する「デイトレード」や、数日から数週間で利益を確保する「スイングトレード」などがあります。これらのスタンスも「お金に働いて」もらっているわけですが、トレードはそれを専業としていない人には難しい側面があるのも事実です。そこで重要になってくるのが、人生100年時代を見据えた「長期・分散・積み立て」投資になります。

長期・分散・積み立ては投資における、普遍的な真理といえます。投資で避けたいのは、結果、損をしてしまうことですが、3つをセットにすることで損失可能性を減らせます。つまり、合理的な行動手段なのです。

まず、長期投資についてです。デイトレードなどの短期の売買では手元資金が2倍、3倍に、時には10倍にといったことも起こりえますが、逆に短期間で手元資金がゼロ、もしくはマイナスになることもあります。長期投資は、短期間で売買を繰り返すのではなく、長期にわたって金融商品をそのまま持ち続ける投資のことです。株を長く保有することによって、投資の平均収益率が安定する傾向にあります。2倍、3倍といった感覚ではなく、たとえば、年3%の利回りで複利運用(運用で得られた利益の再投資)すれば老後に必要な資金を作ることができます。

次に分散投資です。分散投資は大きなリターンを得ることではなく、大きく負けないことが目的となります。そのために、「資産・銘柄の分散」「地域の分散」、投資する時間をずらす「時間の分散」をします。

「資産・銘柄の分散」とは、すべての資金をひとつの金融資産に集中させると、運用がうまくいかなかった場合にはマイナスの影響が資産全体に及ぶため、値動きの異なる複数の資産に分けることです。次に「地域の分散」は異なる状況にある地域の資産、通貨を組み合わせて投資を行うことです。「時間の分散」は1度に多額の投資を行うのではなく、投資のタイミングをずらすことです。こうして投資対象を細かく分けることで、リスクを低減していきます。