やってはいけない3つのこと

さて、ここまで老後の資産形成に向けた手堅い投資方法を紹介してきましたが、ここからは「絶対にやってはいけない」をお伝えしたいと思います。

▼退職金をつぎ込んで投資デビュー

退職金が口座に振り込まれると銀行から電話がかかってきて、投資を始める方が多いです。しかし、投資を勧めてくれる電話の向こう側の人が、必ずしも自分の退職金を心から大切に思ってくれている人だとは限りません。

勧められるままに1つの金融商品や不動産、または何種類もの金融商品に全退職金をつぎ込んで「初めての投資」をスタートするといったことは絶対にやめてください。最初に述べたように、これでは、時間の分散などのリスク分散がまったくできていません。1度に投資してしまうと、ある商品で損をしたときに、残りの資産との兼ね合いで資産配分を変えるなどの修正や「余裕」がまったくなくなってしまいます。

「余裕」のある老後のために決意した投資が自分の首を絞めてしまうことになり兼ねないのです。

▼相場が暴落したら積み立てをやめる

相場が暴落したタイミングで「投資なんてするんじゃなかった」と積み立てをやめる人は少なからずいます。積み立て投資の1つのメリットは、淡々と購入を続けることで、値段が下がったときに、たくさん買えるということです。その後、値段が戻ったときに利益が出やすくなります。

積立期間中に相場が下がったら、むしろ、そこでは継続して購入する「チャンス」ということになります。株価が暴落すると、恐怖を感じるのは当然のことですが、そこで積み立てをやめては、意味がなくなってしまいます。そこで、積み立て投資で成功するための大切なポイントが、次にあげるゆとりのある範囲での投資となります。

▼ゆとりのない状況での投資

老後の資産形成はもちろん大事です。ですが、今、現在、生きている自分を大切にしなければ未来などありません。資産形成をする余裕がまったくないにもかかわらず、月々の積立金を拠出することで、生活が苦しくなるようでは元も子もないのです。

また、投資資金が大きく値下がりしても、精神的に気に留めない程度での投資額にコントロールすることが重要です。経済的にも精神的にも、ゆとりを失わない範囲での資産形成をお勧めしたいです。「品格=余裕」のある人生を送るための投資なのです。