民衆のための私心なき改革

私は、社長就任時に社員に向けて「疾風に勁草を知る」という話をしました。厳しい風が吹いて初めて強い草かどうかわかるという意味で、『後漢書王覇伝』に出てくる言葉です。この味わい深い言葉を反芻しながら藩政改革を進めたのが上杉鷹山です。

<strong>四国電力取締役社長 常盤百樹</strong>●1942年、香川県生まれ。64年、京都大学卒業。同年、四国電力入社。営業部長、企画部長を経て95年取締役、98年常務取締役、2001年取締役副社長、05年より現職。古典芸能のなかでも特に歌舞伎をこよなく愛している。
四国電力取締役社長 常盤百樹●1942年、香川県生まれ。64年、京都大学卒業。同年、四国電力入社。営業部長、企画部長を経て95年取締役、98年常務取締役、2001年取締役副社長、05年より現職。古典芸能のなかでも特に歌舞伎をこよなく愛している。

上杉鷹山は、日向・高鍋藩から米沢藩に養子として入った人物で、鷹山が藩主になるとき、藩は財政破綻に陥っていました。10代将軍徳川家治の時代のことです。大胆な経営改革を打ち出し、抵抗勢力を説得して殖産興業を手がけるなど、鷹山は長期的視点に立った政策で見事に藩を蘇らせました。