省エネ効果は原子力発電一基分
半導体と聞くと、DRAMやフラッシュメモリーを思い浮かべるが、それとはまったく異質なパワー半導体と呼ばれる製品がある。電圧の上げ下げや交流から直流への転換のほか、電流の流れをきめ細かく制御することのできる半導体で、電力を効率よく使えるため“省エネ半導体”ともいわれる。
三菱電機は03年4月、LSI事業を日立製作所と統合してルネサス テクノロジを設立した。しかしながら、省エネ効果の大きい電力制御用のパワー半導体は環境意識の高まりを背景に、各事業との相乗効果が大きいと判断して社内に残した。福岡県福岡市にあるパワーデバイス製作所がその生産拠点で、ここ数年、生産は右肩上がりの成長を続けている。
そんなパワー半導体には、DRAMなど一般の半導体とは似て非なる特徴がある。製造の過程でチューニングと呼ばれる最適化への微調整を必要とし、それには匠の技に支えられた数多くのノウハウが存在するのだ。