仲良しクラブから脱却できない上司

私はサラリーマンも自前の会社の社長も経験済みですが、どうも日本人の上司は、自分に似たタイプを部下に持ちたがる。かみついてくるような部下を避け、お山の大将であり続けたいと思うのでしょうかね。とりあえずの仕事はできるのかもしれないが、守備範囲も狭くて価値基準が狭いくせに、自分の言っていることが正しいと思っている上司をいっぱい見ましたよ。

ゼンマスター 室町憲寿氏
ゼンマスター 室町憲寿氏

そういうヤツはだいたい高学歴。偏差値教育がただの去勢工場なのだということが、よくわかりますよ。部下は部下で、SNSなんかで「いいね」を求めるだけのもっと狭い領域でしか活動しない。そんな上司と部下がついつい、仲良しクラブをつくっちゃう。

コロナショックで経済・企業は戦後の焼け野原同然。今後は新しい時代を模索することになります。なのに、こんなんじゃ企業の発展なんて望めません。自ら活路を閉じているようなもの。いまだに学閥意識が抜けない企業すらあるというから、呆れますね。

ここにきて上司の悩みもより表面化していて、私の元へもたくさん寄せられています。何かというと、「いまどきの部下をどう扱っていいのかわからない」。これって、上司が仲良しクラブの意識から脱却できていないから起こる悩みですよね。自分より部分的に優れた部下たちを束ねるのが、最強チームをつくる秘訣。自分に牙を向けてくる部下だって、チームの武器になるならそれを生かし、伸ばすことを考えるべきです。となると、部下との対立を恐れちゃいけない。これからの上司は、部下にいい顔をするばかりではダメ。今のうちに「いい人をやめる練習」をしておこうじゃありませんか。