猫ブームは「結婚しない人々」を反映している

中国の20代の特徴については、7月6日の記事「『30日以内は離婚を撤回できる』珍制度を導入した中国政府の狙い」で、「今の30代以下は基本的に一人っ子ですから、自分がいちばんだと思って、未熟なまま大人になってしまう人が多い」という声を紹介した。

この記事では、中国で結婚しない若者が増えた理由として、女性の高学歴化、男女ともに高所得化、草食化しているから、と書いた。それはそっくりそのまま「猫ブーム」を形成している若者そのものだといってもいいだろう。

前述の「全国犬猫飼育実態調査」(2019年)によると、日本人が猫を飼う理由も同じく「安らぎが欲しかったから」がいちばんに挙がっているが、それ以外を見ると「過去に猫を飼ったことがあるから、また飼いたいと思った」など、これまでの経験も大きいことがわかる。日本では、実家で猫を飼っていたり、友だちの家や近所の家で飼っていたりした、という経験がある人は非常に多いと思うが、中国人にはこれまでそうした経験はほとんどなかった。初めて到来した猫ブームだからだ。

1人でも構わないが、家に帰ったときに待ってくれている存在や温もりは、やはり欲しい……。それが、中国の若者の間で猫ブームが巻き起こっている理由だといえるだろう。

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