肩こりや腰痛などを直すにはどうすればいのか。パーソナルトレーナーの鈴木孝佳氏は、「スマホやパソコンを長時間使用したり、身体を動かさなかったりすると姿勢が悪くなり、身体が不調になる。姿勢を正しくするには『背中を丸める』ことが重要だ」という——。
身体の調子が悪い人の共通点
在宅勤務が増えると、気になるのが身体を動かさない生活。職場に行くために駅まで歩く、階段を上る、電車内でつり革につかまって立つなど、これまで何気なく行っていたことが運動につながっていました。毎日習慣化されることで健康の維持には大変重要な役割を果たしていたのです。
肩こり、腰痛、頭痛、不眠などの身体の不調を訴える多くの方が、「一日スマホやパソコンで作業をしていた」「一歩も家から出ないで座り続けていた」など身体を動かさない生活を送っています。
猫背でスマホやパソコンに向かっている姿勢は頭が正しい位置から約10センチ前に出ている状態になり、頭を支えるためにおおよそ15~18キロの負担が首や肩にかかります。これは5歳児一人分を首に載せながらパソコンに向かっているようなものなのです。肩や首へ大きな負担をかけ、肩こりの原因になります。
また、長時間デバイスに向かうことで背骨も悲鳴を上げています。健康的な背骨は、首は前向き、背中は後ろ向きにカーブし、腰は再度前向きになりS字を描くようにカーブをしています。しかし、私がサポートしているお客さまの大半は背骨カーブのバランスも崩れていることがわかりました。
また、背骨と同様に、長時間の座ったままの姿勢だと肋骨がつぶれ、肺の拡張バランスが悪くなり、次第に横隔膜の機能が低下します。
横隔膜が正しく機能しないと、呼吸のパターンが乱れ、浅く早く呼吸をするように。すると、肩や腰、背中といった体の他の部位で呼吸の機能を補おうとして猫背やストレートネック、反り腰など悪い姿勢の原因につながります。