最大限にトクする活用法

「Go To トラベル」キャンペーンで最大限、お得になる活用法を考えてみる。まずは支援額の上限まで利用することだ。地域共通クーポンが始まるまでは1泊につき35%が割引されるので、1泊あたり4万円以上の旅行を申し込んだ場合1万4000円(日帰り旅行なら2万円以上の旅行代金に対して7000円)を上限として支援される。旅行代金が1泊4万円、日帰り2万円を超えても支援額はそれ以上増えない。

9月以降、地域共通クーポンが始まれば、それに加えて旅行代金の15%相当が現地で使えるクーポンとして返ってくる。1泊4万円以上の宿泊旅行に対しては、1万4000円の旅行代金割引に加えて6000円分の現地で使えるクーポンが支給されることになる。1泊4万円というと高級旅館でも泊まれなければ使えない、と思われそうだが、旅行代金に電車、飛行機、バスなど往復の交通費が含まれる場合はそれも対象になる。車での旅行でなければ、1泊4万円のパッケージツアーを申し込むのもよい。

【図表2】「Go To トラベル」旅行代金支援の例

宿泊施設に直接予約の場合、割引対象は「宿泊のみ」と観光庁の資料にはあるが、朝夕食や宿が宿泊プランとして一括して提供するサービスは対象になるかと想像される。宿泊予約と別途、個人で手配する電車やバス、レンタカー代や高速道路代などは、同じ旅行に関わる費用であっても、支援の対象にはならない。

1枚1000円単位で使える地域共通クーポンについては、これから土産物店、飲食店、観光施設、交通機関などの地域事業者から参加を募る。キャンペーンで申し込んだ旅行先でも、参加店舗以外では使えない。対象施設は店頭でのステッカー表示やウェブサイトでの一覧公開を予定している。地域のバス会社や遊覧船の運行会社などが参加した場合は、乗車料金に地域共通クーポンを使える。旅行前に行き先、具体的には対象となる目的地および隣接都道府県の利用可能事業者を予習していくといい。

密を避けた上手な旅行先選び

「Go To トラベル」に先んじて、緊急時代宣言解除以降、域内旅行を対象とした旅行補助が各地方自治体により実施されてきた。北海道居住者を対象とした「どうみん割」は23億円を原資に第3弾まで募集され、各県や市が実施する旅行クーポンの多くが、初日の午前中に予算上限に達して終了するなど、人気コンサートのチケットのような人気ぶりだ。

「Go To トラベル」の事業予算は1兆3500億円、運営費を除いた原資も1兆1500億円以上とケタ違いのため、より多くの国民が制度を活用して旅行に出るだろう。日程や目的地によっては、とんでもない「密」に遭遇する可能性がある。キャンペーン詳細が発表された7月10日には、東京都内で過去最多の243人の新型コロナウイルス感染者が発表された。人々が望むのは、最小限の感染リスクで、最大限お得な旅をすることだろう。

そのためには、誰もが考えそうな旅行計画をしないことだ。土日祝日の3連休に2泊3日で8万円の北海道や沖縄ツアーに行く、有名観光地で1泊4万円の高級旅館に泊まる。このような旅行はそもそも競争率が高いが、運よく予約できて宿泊施設の中は衛生対策が万全でも、観光地や交通機関では通常のピーク期以上の混雑を覚悟しなくてはならない。人気の観光地に行くならオフピーク、平日に休みを取って行きたい。